40年前の映像

自分が生まれた頃、もう既にテレビがあった。
つまりビデオも存在し、完全光学でない機器があったわけで。
ハイビジョンのこの時代、確かに見劣りはするかもしれないが、
モノクロフィルムとカラービデオ程の差は感じない。
およそ40年前、20歳でデビューしたロックの神様が亡くなった。
その当時の映像は実にクリアで、
つい最近のことのように感じられる。
つい最近まで若き力を溢れさせていた彼は、
今に至るごく僅かな時間の中で作品を創り続け、
結婚し、子を授かり、老い、病に倒れた。
ビデオがもたらした錯覚であろうが、
人の生は儚いと思えてしまった。
それでも彼は遺した。
これからおれは遺せるか?
彼は先にも他人の心に、音に、映像に、生き続ける。
おれは死んだら消えるのだろうか?
妙な焦りが込み上げてくる。
一度もお会いしたことはなかったけれど、
不思議と親近感を覚えていた彼の
ご冥福をお祈りしたい。