新作紹介:あなたがいない「  」を、どう埋めるかさがしています

2024 / シングルチャンネルビデオ、手紙と封筒 / 20分程度を予定(現在編集作業中)
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展示の機会を探しております。ぜひお声がけお願いいたします。


<プロトタイプ版の視聴>
※本作の映像は、インディペンデント・キュレーターの小澤慶介氏が主宰するアートト・アーティストコースの修了制作としてプロトタイプが制作され、その内容をより充実させた本編を展示します。

<コンセプト>
これは誰しもが持つ「喪失体験」について、その後の人生をどう過ごしていけばよいかという問いを深めるための映像インスタレーション作品です。鑑賞者が、誰かの喪失体験に想像力を働かせ、皆が哀しみを打ち明けやすい社会となることを目指しています。

私たちの世界は喪失体験に溢れ、助けを求める声を上げられず、その方法すらもわからない人たちが沢山います。ここでは自死による死別を描いていますが、戦争や内紛、震災、事件、事故、病気、様々な別れがあり、残された者は大きな悲しみを背負います。また、喪失体験は死別だけではありません。愛する人との別離、失明・失聴、加齢や病気による体の不自由、人が人と共に人として生きるために必要な尊厳の侵害(DV、いじめ、迫害、性暴力など)も含めて、メンタルケアが必要とされます。

まず、中心に据えられたモニターで再生されるのは、親しかった親族を自死で失った作者自身のグリーフカウンセリング受診を記録した映像です(グリーフとは死別や離別などの喪失体験による悲嘆や、心身に起こる反応のこと)。
映像作品を左右から囲む壁には、収集した実際の喪失者の声を元に作家が作成した架空の故人に向けた手紙(タイトルなどに「  」とした空白の鉤括弧を記す)を掲出。鑑賞者にその手紙の持ち帰りをさせることで、展示で得た気づきをそれぞれの生活に伝播する狙いがあります。


過去作品事例

漂流する私たちの分身
2023 / シングルチャンネルビデオ、キャンバスにアクリルや油彩のついた古着/ 10分5秒

衣類の安易な消費により、どこかの国の人々を苦しめ、地球環境をも汚染していることに警鐘を鳴らすためのインスタレーション。
今、アパレル業界は、石油産業に次ぐ「世界2位の環境汚染産業」と国連に指摘されています。本作では古着の譲渡者から、想い出や、消費に関する意識についてインタビューした映像と、その古着から作成した彼らの分身となるポートレートを展示。衣類が持つ個人の記憶に耳を傾けながら、形を変えて流通していく姿を鑑賞することで、私たちの「買うこと・捨てること」に思考を広げる試みです。


FLAMING
2021 / シングルチャンネルビデオ / 18分48秒

2020年からのコロナ禍において、未知の危機に対する恐怖心から真贋混ざり合う様々な情報が流れ、買い占めや自粛警察といった現象が勃発。私たちは真実をきちんと掴み取れているのか?という問いを映像作品にしました。
超情報化社会において人々はスマートフォンで情報取得し、ソーシャルメディアでコメントを発信しています。拡散する意見はときに熱を帯び、炎上し、本当のことを容易に覆い隠してしまいます。この作品は、ひとりの男の死にまつわる様々な評価が交錯していく模様が描かれ、現代の不安を集団劇で表現したファンタジーです。
IAG AWARDS 2021入選作品。
ダイジェスト映像視聴:https://www.miureel.com/movies/flaming/


<清水伶 プロフィール>
1976年生まれ、東京在住。映像やインスタレーションで、人の生きづらさや他人との距離感を考察し問題を解消する手立てを探るアーティスト。
2001年より企業広告やミュージックビデオなど商業映像作品のクリエイターとして活動した後、2018年より画家で美術作家の三杉レンジ氏に師事、画家としての活動をスタートさせる。2020年には編集者の後藤繁雄が主宰するスーパースクール参加、2024年にインディペンデント・キュレーターの小澤慶介氏が主宰するアートト・アーティストコースを修了し、現代アーティストとして視座を高めると共に社会的影響力を考慮し表現方法を回帰させた。