新作の展示機会を探しています

あなたがいない「  」を、どう埋めるかさがしています

2024 / シングルチャンネルビデオ、手紙と封筒 / 20分程度を予定(制作中)

誰しもが持つ喪失体験について、その後の人生をどう過ごしていけばよいかという問いを深めるための映像インスタレーション作品です。鑑賞者が、誰かの喪失体験に想像力を働かせ、皆が哀しみを打ち明けやすい社会となることを目指しています。
中心に据えられたモニターで再生されるのは、親しかった親類を自死で失った作者自身のグリーフカウンセリング受診を記録した映像です(今度さらに数名の喪失体験について取材予定) 。グリーフとは死別や離別などの喪失体験による悲嘆や、心身に起こる反応のこと。そこからの回復を手助けする「グリーフケア」は、1960年代にアメリカではじまり、日本では1970年代から研究対象となった、比較的新しい心理療法です。
映像作品を左右から囲む壁には、出演者の喪失対象に向けた手紙を展示(タイトルなどに「  」とした空白の鉤括弧を記す) 。鑑賞者はその手紙の複製を持ち帰ることができ、展示で得た気づきをそれぞれの生活に伝播する狙いがあります。
出演・取材協力:井手敏郎(公認心理師、一般社団法人日本グリーフ専門士協会代表理事)