清水 伶 × さやか
シングルチャンネルビデオ 7分17秒
手紙と封筒
2025

自助具
さやかさんの娘さん(清水伶代理制作)
目玉クリップ、吸盤
2025
左半身の麻痺を突然抱えることになり、生活のすべてが「やりにくさ」に変わったさやかさん。ある日突然頭にプチンと音がして動けなくなり、半身麻痺になってしまった。家事に倍の時間がかかり、通行人に舌打ちされることも。喪失感に涙した日、夫の一言や友人の暖かな毒舌が、彼女を「今の自分」へとつなぎとめてくれた。やがて見えてきたのは、「失ったものより、得たものの方が多いかもしれない」という静かな実感。この作品では、彼女の手の工夫や記憶を丁寧にたどりながら、「できなくなった」先に広がる世界と、障害を通して深まった他者へのまなざしが描かれる。
同時に展示させていただいたのは、彼女の娘さんが作ったという自助具の再現品。簡易的に作られたものなのでなかなか実用的な耐久性は無かったとのことですが、そのエピソードがとても暖かく、皆さんに見ていただきたいと思いました。