10_今まで送らんでごめんなさい

清水 伶 × 普通の一市民
シングルチャンネルビデオ8分55秒
スマートフォン、受話器、手紙と封筒
2025

元夫を自死で亡くした普通の一市民さんは、家族でSNSグループを作って連絡を取り合っていた。それなりに仲良くやっていた頃も、元夫が単身赴任で離れたことで様子がおかしくなっていった頃も、離婚の話し合いの時までずっと続く、目に見えないつながり。あまり発言しなくなっていたSNSグループに、元夫に宛てて娘からとあるメッセージが届く。
遠く離れてもスマートフォンでつながりを持ち続ける関係性を実体化するため、スマートフォンに黒電話の受話器を取り付けるという物質感のある作品で表現しました。受話器から流れてくるのは、元夫との馴れ初めから語ってくださった普通の一市民さんの声が流れます。その声に合わせて、スマートフォンの画面ではSNSのメッセージが更新されていきます。最後のメッセージを見た、彼女の気持ちを作品でお確かめください。

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