FLAMING


FLAMING, 2021
Video 18:48
※上記動画は告知用ショート版

この作品では、ひとりの男の死にまつわる様々な評価が交錯していく模様が描かれています。何が本当で、何が間違っているのか?
ひとつの出来事において人々がそれぞれに見解を主張することで、矛盾が生じてしまう現象をRashomon Effectと呼びます。この言葉は黒澤明監督の映画『羅生門』(原作は芥川龍之介の小説『藪の中』)から来ており、「真相は藪の中」といった言葉と同義です。超情報化社会である現代において、人々はスマートフォンで情報取得し、ソーシャルメディアで意見を発信しています。拡散する意見はときに熱を帯び、炎上し、本当のことを容易に覆い隠してしまいます。つまり日常的に身近なところでこのRashomon Effectは起こっているということです。コロナ禍においては、未知の危機に対する恐怖心から真贋混ざり合う様々な情報が流れ、買い占めや自粛警察といった現象も起きました。他にも、白人警察官による黒人男性の死亡事件や香港国家安全法を取り巻く動向など、思想や正義の違いから是非の判断が難しい事象もあり。私たちはきちんと真実を掴み取っているのか不安になることが多々あります。

Director: Chiaki Shimizu
Cinematographer: Takuya Kawanaka