清水 伶 Portfolio 


漂流する私たちの分身
2023 / シングルチャンネルビデオ、キャンバスにアクリルや油彩のついた古着 / 10分5秒

先進国による衣類の安易な消費により、どこかの途上国の人々を苦しめ、地球環境をも汚染していることに警鐘を鳴らすためのインスタレーション。
今、アパレル業界は、石油産業に次ぐ「世界2位の環境汚染産業」と国連に指摘されています。本作では古着の譲渡者から、想い出や、消費に関する意識についてインタビューした映像と、その古着から作成した彼らの分身となるポートレートを展示。衣類が持つ個人の記憶に耳を傾けながら、形を変えて流通していく姿を鑑賞することで、私たちの「買うこと・捨てること」に思考を広げる試みです。
私は20年以上前から基本リユース生活です。ぜひ「ファッション 環境問題」などで検索してみてください。あなたの知らない課題が見えてきます。


 

COUNT DOWN」シリーズ
2022 / キャンバスに油彩

撮影:松尾宇人

ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに描かれた絵画シリーズ。
「FLAMING」とも地続きのテーマとなっており、SNS時代の情報摂取の難しさ、誰かの悲劇がただのエンターテイメントになって消費されることの恐ろしさを訴えています。人類は殺し合い、罵り合うことに一生懸命で、たとえ地球温暖化で海に沈んでも誰も気づかないのではないかとの揶揄から、哀れに海中生活を送る人類の姿を描きました。各作品につけられたタイトルは完成日の日付のみで、いつか訪れるであろう地球の破滅から逆算してその日付を振り返らせるという意図が込められています。
ささやかながら人道支援のための募金活動を目的に販売しました。


 

FLAMING」
2021 / シングルチャンネルビデオ / 18分48秒

2020年からのコロナ禍において、未知の危機に対する恐怖心から真贋混ざり合う様々な情報が流れ、買い占めや自粛警察といった現象が勃発。私たちは真実をきちんと掴み取れているのか?という問いを映像作品にしました。
超情報化社会において人々はスマートフォンで情報取得し、ソーシャルメディアでコメントを発信しています。拡散する意見はときに熱を帯び、炎上し、本当のことを容易に覆い隠してしまいます。この作品は、ひとりの男の死にまつわる様々な評価が交錯していく模様が描かれ、現代の不安を集団劇で表現したファンタジーです。
2020年文化芸術活動の継続支援事業助成、IAG AWARDS 2021入選作品。

企画・脚本・出演:清水伶
映像演出・脚本:清水千秋
撮影監督:川中拓也
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